譲渡所得ってなに?

2025/03/27 19:00 - By 幸長 信宏

不動産売却の際に必要な譲渡所得

「売れない家買取センター」の宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の幸長です。 
 不動産を売却する際に気になるのが「譲渡所得」について。譲渡所得は、不動産を売った際に得られる利益に対して課税される税金に関わる重要な概念です。今回は、譲渡所得の計算方法や、どんな時に必要になるのかを分かりやすく解説します。

譲渡所得とは?

どんな時に必要なのか

譲渡所得とは、不動産を売却したときに得た利益のことを指します。  マイホームや投資用の土地・建物などの不動産を売却した際、その利益が課税対象として取り扱われるので、譲渡所得が必要になります。
この利益は、売却価格から購入費用や売却にかかった経費(仲介手数料やリフォーム費用など)を引いた額になります。つまり、実際に手に入るお金と、支出に関連する費用との差額が譲渡所得です。

譲渡所得の計算式

譲渡所得を計算する基本的な式は以下の通りです。
譲渡所得 = 譲渡収入金額(売却価格) - 取得費 - 譲渡費用
ここで、それぞれが何の内容を表しているのか、確認していきましょう!

譲渡収入金額(売却価格)

これは、不動産を売却したときに受け取った金額のこと、つまり売却価格です。例えば、住宅を1500万円で売却した場合、1500万円が譲渡収入金額となります。

取得費

取得費は、その不動産を購入するためにかかった費用です。主に以下のものが含まれます。

・購入価格:例えば1000万円で購入した場合、その1000万円が取得費にあたります。
・仲介手数料:不動産購入時に支払った仲介手数料も取得費に含まれます。
・登記費用:所有権移転登記にかかる費用も含まれます。
・リフォーム費用:購入後、住みやすくするためにリフォームを行った場合、その費用も含まれます。ただし、修繕費用などの一部は除外される場合があります。

これらの費用を合計した金額が取得費となります。

譲渡費用

譲渡費用は、不動産の売却にかかった費用です。

主に以下のようなものが含まれます。

・売却時の仲介手数料:売却にあたって不動産会社に支払った仲介手数料。例えば売却価格の3%+6万円など。
・登記費用:売却時に必要な登記にかかる費用。
・その他費用:売却にあたってかかった広告費や、不動産の引き渡しにかかる費用など。

これらの費用を合計した金額が譲渡費用となります。

具体例での計算

例えば、以下の条件で譲渡所得を計算してみましょう!

・住宅を1000万円で購入し、1500万円で売却した。
・売却時にかかった仲介手数料が50万円、登記費用が5万円、リフォーム費用が30万円。


計算式に当てはめる

  • 譲渡収入金額(売却価格)1500万円
  • 取得費:購入価格:1000万円
        仲介手数料(購入時):35万円
        登記費用(購入時):5万円
        リフォーム費用:30万円
         取得費の合計:1070万円

  • 譲渡費用仲介手数料(売却時):50万円
         登記費用(売却時):5万円
         譲渡費用の合計 : 55万円

  • 譲渡所得375万円= 1500万円- 1070万円 - 55万円
    この場合、譲渡所得は375万円となります。この利益に対して譲渡所得税がかかることになります。

このように、譲渡所得を計算する際には、売却価格からその不動産にかかった費用を引いて、残った金額がどれくらいかを確認する必要があります。正確に計算することが、適切な税金を支払うためにも重要となります。

譲渡所得税について

譲渡所得税の計算方法は、不動産を所有していた期間によって税率が異なります。

短期譲渡所得の場合

不動産を所有期間5年以下で売却した場合に発生する譲渡所得のことです。所有期間が短いため、税率が高く設定されています。

税率 39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

長期譲渡所得の場合

不動産を所有期間5年超で売却した場合に発生する譲渡所得のことです。短期譲渡所得と比べて税率が低く、税負担が軽くなります。
税率 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

実際に計算してみると…

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下)の場合  
    税額 = 375万円 × 39.63%≈ 148.6万円(約149万円)
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超)の場合  

    税額 = 375万円 × 20.315%76.1万円(約76万円)

このように、5年以上所有した方が税金が大幅に安くなるため、不動産を売却するタイミングはとても重要です!
まとめ
  • 譲渡所得とは、不動産を売却した際の利益
    (売却価格 - 取得費 - 譲渡費用)
  • 取得費:購入価格、仲介手数料、登記費用、リフォーム費用など。
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料、登記費用、広告費など。
  • 譲渡所得税の計算方
    短期(所有期間5年以下):税率39.63%
    長期(所有期間5年超) :税率20.315%
  • 長期譲渡所得のメリットは税率が低く、税負担を軽減できること
    (短期の約半分)
  • 売却のタイミングが重要!5年以上所有すると節税効果大 !
このように、譲渡所得は不動産を売却する際に欠かせない重要なポイントです。
売却価格だけでなく、取得費や譲渡費用をしっかり計算することで、実際に得られる利益や税額を正しく把握できます。
また、所有期間によって税率が大きく変わるため、売却のタイミングも慎重に考えることが大切です。特に、5年以上所有すれば税負担を大きく軽減できるため、余裕があれば長期保有を検討するのも賢い選択といえるでしょう。
不動産の売却は、事前の計画と知識がカギとなりますので、しっかりと準備を進めていきましょう!

まずは不動産を売ることから!譲渡所得のことも安心してご相談ください!

WEBで無料査定してみる

幸長 信宏