【土地の売却】傾斜地・崖地は売却できる?土地価値が左右される“がけ条例“とは?

2025/12/11 07:30 - By 売れない家買取センター管理人

傾斜地や崖地(がけ地)の土地を相続したり、空き家のまま持て余していたりするお客様から、「こんな土地、売れるのかな…?」…といったご相談も多くいただきます。実際、傾斜地・崖地は「平坦地より売却が難しい」のは事実ですが、条件次第で売却・買取は十分に可能です。

「傾斜地・崖地」の定義とは?がけ条例って何?

傾斜地・崖地の基本定義

一般的に、土地の一部または全体が急な斜面になっている敷地の一部が隣地や道路より大きく高低差がある土地を「傾斜地」「崖地」と呼びます。

法令上の細かい定義は自治体ごとに異なりますが、高さ2m以上・勾配30度超の急斜面を「崖(がけ)」として扱うケースが多く、その周辺で建築する際に「がけ条例」による制限がかかります。

傾斜地・崖地の売却を考える際、このがけ条例の有無や内容が、土地の価値に直結します。

がけ条例とは? 

がけ条例とは、崖の近くに建物を建てる際に、がけ崩れなどの危険を防ぐための建築制限を定めた条例です。建築基準法を補う形で、都道府県や市区町村が独自に設けており、一般的には次のような土地が「がけ」として対象になります。


  • 地表面の傾きが 30度を超える急な斜面

  • 高さが 2m以上 ある部分(地域によっては3m)

  • 土や軟らかい地盤で構成されている斜面


がけの上や下に建物を建てるときは、崖から一定の距離を離すか、安全な擁壁(ようへき)を設けるなどの対策が必要になります。これにより、がけ崩れや土砂の流入から建物や人を守る仕組みになっています。

《兵庫県・姫路市での考え方》

兵庫県(姫路市を含む)では、兵庫県建築基準条例 第2条 で「がけ」や「がけ地」が定義されています。

  • 地表面が水平面に対して30度を超える斜面 →『がけ』に該当

  • がけを含む、または接している敷地は 『がけ地』として扱われる

  • がけ地に建物を建てるときは、崩壊のおそれがないように必要な安全措置をとる義務 がある

  • がけの上側に建てる場合は、排水設備を設けることが必須

姫路市独自のがけ条例はなく、建築確認はこの 兵庫県建築基準条例に基づいて審査される仕組み になっています。

出典:兵庫県建築基準条例 第2条(がけ地の安全措置)

なぜ「傾斜地・崖地は売れにくい」のか?

不動産の現場でも、傾斜地・崖地は「売却が難しい土地」の代表格です。売れにくい理由を整理すると、次のようになります。

理由1|建てられる場所が限られる 

平坦な宅地に比べ、傾斜地・崖地はそのままでは建物を建てにくいため、建築できる建物の種類・ボリュームが制限される庭・駐車場として使える有効面積が少ないといった制約が多く、一般のマイホーム希望者には敬遠されがちです。

理由2|造成費用が大きくなる  

傾斜地を住宅地として使うには、多くの場合、切土・盛土などの造成工事や擁壁の新設・補強、排水設備の整備などが必要になります。

これらの工事費用は数百万円〜場合によっては数千万円規模になることもあり、買主側の負担が重くなります。結果、「土地代+工事費を考えると、平坦な別の土地を買った方が安い」と判断され、価格を大きく下げないと売れないケースも少なくありません。

理由3|心理的な不安    

法令上の問題がクリアできても、大雨や地震のときに崩れないか擁壁は本当に安全なのかといった不安を持たれやすい土地です。こうした「心理的なマイナスイメージ」も、傾斜地・崖地が『売れない土地』とみなされやすい大きな理由です。

    買取査定はどう決まる? 傾斜地・崖地の査定

    傾斜地・崖地の査定では、主に次のような点が重視されます。

    • 崖の角度(30度を超えるかどうか)

    • がけの高さ

    • 擁壁の種類と劣化具合

    • 土砂災害警戒区域かどうか

    • 実際に利用できる平坦な部分の広さ

    • 周辺相場と立地

    • どんな使い方ができるか(住宅・駐車場・太陽光など)


    評価が下がることもありますが、立地が良い場合は想像より査定が高い ケースもあります。傾斜地は「マイナスばかり」というイメージがありますが、活用方法次第で価値が変わるのが特徴です。

    諦める前に|傾斜地・崖地の売却

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