媒介契約とは?

2025/04/01 19:00 - By 黒山 舞子

不動産売却で選ぶべき契約形態

「売れない家買取センター」の宅地建物取引士、黒山です。
不動産を売却しようと考えている方にとって、どの媒介契約を選ぶかは重要なポイントになってきます。本記事では媒介契約について詳しく解説します。不動産売却の仕組みを理解し、自分に合った契約を選びましょう!

媒介契約とは

契約の種類も様々

媒介契約とは、不動産業者と契約者(物件を売りたい方)が結ぶ契約で、不動産取引をスムーズに進めるために業者に仲介を依頼するものです。この契約により、業者は契約者の代理として、取引を円滑に進める役割を果たします。

媒介契約の種類

媒介契約には、主に3つの種類があります。それぞれの特徴を理解することが重要です。

専属専任媒介契約

物件を売りたい方が、1つの不動産業者だけに依頼できる契約です。もし、物件を売りたい方が自分で購入者を見つけたとしても、必ずその不動産業者を通して契約しなければならないという決まりです。また、この契約を結んだ不動産業者は、契約後5日以内定流通機構(レインズ)へ物件情報を登録する義務があり、1週間に1回以上の進捗報告を行わなければなりません。

専任媒介契約

専属専任媒介契約と似ていますが、こちらは物件を売りたい方が、1つの不動産業者に依頼しつつも、自身で購入者を見つけて取引できる契約です。ただし、もし物件を売りたい方が自分で購入者を見つけた場合でも、契約した不動産業者を通して契約を結ぶ必要があります。また、この契約を結んだ業者は、契約後7日以内に指定流通機構(レインズ)へ物件情報を登録する義務があり、2週間に1回以上の進捗報告を行わなければなりません。つまり、自身で購入者を見つけてもいい点と、レインズへの物件登録期限、進歩報告の頻度が専属専任媒介契約と異なります。  

一般媒介契約

一般媒介契約は、最も柔軟な契約形態で、物件を売りたい方が複数の不動産業者に依頼できる契約です。この場合、物件を売りたい方が自分で購入者を見つけても問題はありません。しかし、この契約では不動産業者に物件情報を登録する義務がないため、業者が積極的に物件を宣伝したり、進捗を報告する義務がありません。この点に注意が必要です。 

媒介契約を結ぶ際の注意点

媒介契約を結ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

契約内容の確認

物契約内容には、報酬や契約期間、物件情報・指定流通機構(レインズ)への登録の有無などが含まれます。しっかり確認してから契約を結ぶことが重要です。

業者の信頼性

不動産業者の選び方も大切です。過去の実績や評判、実際のサービス内容を調べ、信頼できる業者を選びましょう。

契約期間の設定

一般的に、媒介契約には期間が設けられています。契約終了後の対応や更新についても確認しておくと良いでしょう。

「媒介」と「仲介」の違い

不動産業界では「媒介」が正式な用語として使われることが多く、日常会話や他の業界では「仲介」が広く使われるという違いはありますが、実際の役割や意味はとても似ていて、ほぼ同じだと言えます。使われる場面や文脈によって少しニュアンスが異なります。言い方が違う理由は、用語の使い方における歴史的な背景や業界の慣習、そして法律的な区別に基づいています。

用語の使い分け

「媒介」は、特に不動産業界で使われる正式な用語として、物件を売却する人と物件を購入する人(または賃貸人と賃借人)を「引き合わせる」役割に焦点を当てていることが多いです。一方、「仲介」一般的に日常的な会話や取引で使われ、取引の成立を「サポートする」広い意味を持つことが多いです。「媒介」は、特に不動産業界で使われる正式な用語として、物件を売却する人と物件を購入する人(または賃貸人と賃借人)を「引き合わせる」役割に焦点を当てていることが多いです。一方、「仲介」は一般的に日常的な会話や取引で使われ、取引の成立を「サポートする」広い意味を持つことが多いです。

法的な意味合い

法的な文脈では、「媒介契約」や「仲介契約」が異なる契約形態として位置付けられることがあります。たとえば、不動産業界では「媒介契約」を結ぶ際に、具体的な取引が成立することを約束する場合があり、契約書や条文の中で「媒介」という言葉が使われることが多いです。その一方で、「仲介」自体は、より広範な意味で使われることがあり、例えば保険や商品販売などでの「仲介」も含まれることがあります。

業界の慣習

不動産業界では、「媒介」という言葉を専門用語として使うことが一般的で、正式な契約書にもよく登場します。そのため、売買や賃貸契約のプロセスを示す際には「媒介」という言葉が重視されます。一方、「仲介」は、もっと日常的な会話や、一般的な商取引で使用される言葉です。

媒介契約のポイントとまとめ
  • 契約の種類
    専属専任媒介契約1社の不動産業者にのみ売却を依頼し、自分で取引相手を見つけてもその不動産業者を通さなければならない契約で、レインズ登録や定期報告の義務がある。

    専任媒介契約1社の不動産業者にのみ売却を依頼しつつ、自分で購入者を見つけても直接取引が可能な契約で、レインズ登録や定期報告の義務がある。

    一般媒介契約:物件を手放したい人が複数の不動産業者に依頼でき、自分で購入者を見つけても問題ない契約。しかし、不動産業者は物件情報を登録する義務がない。

  • 契約内容の確認
    契約時には、報酬や契約期間、物件登録方法などを必ず確認しましょう。

  • 信頼できる業者の選定
     実績や評判をチェックし、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

  • 「媒介」と「仲介」の違い
    「媒介」は不動産業界で使われる正式な用語で、取引を「引き合わせる」役割。
    「仲介」は日常的な言葉で、取引の成立を「サポートする」意味が広い。

媒介契約にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。自分に合った契約形態を選ぶことで、スムーズに不動産取引を進めることができます。契約を結ぶ際には、業者の信頼性や契約内容もしっかり確認し、慎重に決めることが重要です。
不動産の売却は大きな決断ですので、ぜひ本記事を参考にして、あなたに最適な選択をしてくださいね。

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黒山 舞子