抵当権抹消登記とは 住宅ローン完済後、必要書類を揃えれば自分で出来る?

2025/05/04 08:50 - By 黒山 舞子

売れない家買取センター、宅地建物取引士の黒山です。
住宅ローンを完済すると、「やっと終わった!」という安心感がありますよね。
でも、実はこれで終わりではありません。
忘れがちですが、とっても大切なのが抵当権抹消登記の手続きです。

抵当権をちゃんと抹消していないと、将来的に不動産を売却したり相続するときにトラブルになる可能性もあるんです。

そこでこの記事では、住宅ローン完済後にやるべき手続きとして抵当権抹消登記とは何か、どんな書類が必要か、自分で手続き出来るのか?
という疑問に、分かりやすくお答えいたします。

抵当権抹消登記とは?

そもそも抵当権って何?
なぜ抹消手続きが必要なの?

抵当権抹消登記とは、住宅ローンを完済した後に、不動産に設定されていた抵当権を法的に取り除くための手続きです。

住宅ローンをすべて返済しても、この抵当権は自動では抹消されません。
登記簿上には抵当権が残ったままの状態になっており、それを正式に削除するためには、法務局での登記申請が必要です。これが「抵当権抹消登記」です。

そもそも抵当権とは

「抵当権」とは、住宅ローンを借りるときに金融機関が土地や建物に設定する“担保”のことです。簡単に言うと、「万が一ローンの返済が滞ったときは、この不動産を売って回収しますよ」という銀行や金融機関側の保険のようなものです。住宅ローンの実行と同時に、不動産登記簿にはこの抵当権が記載されます。

なぜ抹消手続きが必要なの?

抵当権を抹消しないまま放置すると、不動産を売却したり、相続したり、贈与したりするときに思わぬ支障が出ることがあります。

例えば、購入希望者が登記簿を見て「まだローン残ってるのでは…?」と不安になってしまい、購入希望を取り下げてしまうケースや、その不動産を購入しようとしている人の住宅ローン審査に影響が出ることもあり、取引の遅れやキャンセルに繋がるリスクもあります。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、住宅ローンを完済したらできるだけ早く、抵当権抹消登記を済ませておくことが重要なんです。

住宅ローン完済後にやるべきこと

まず、金融機関から届く書類の確認をしましょう。
住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が郵送または窓口で渡されます。これらの書類は、登記申請時に必要になる重要なものなので、必ず内容を確認して保管しましょう。
また、自分で用意する書類もあります。一緒に確認してみましょう!

金融機関から届く主な書類

・抵当権設定契約書
・登記原因証明情報
・金融期間の委任状(必要な場合)
・登記識別情報通知書(設定当時のもの)
※これらは、金融機関によって書式や名称が多少異なる場合があります。

自分で用意する書類

・登記申請書
・委任状(第三者に依頼する場合)
・本人確認書類(運転免許証など)

金融機関から届く主な書類で特に「登記原因証明情報」は、抵当権を抹消する理由(住宅ローン完済)を示す重要書類で、原本が必要です。一度紛失すると再発行に時間がかかるため、受け取ったら速やかに内容を確認し、登記申請まで安全に保管しましょう。
また、自分で用意する書類は、申請の方法(窓口/郵送/オンライン)によって必要書類が多少変わるため、あらかじめ管轄の法務局に確認しておくと安心です。

自分で出来る?司法書士に依頼するべき?

結論から言いますと、抵当権抹消登記の手続きは、自分で行う事が出来ます。
メリット、デメリットはそれぞれにありますが、コスト面も関わってくるので、ご自身にあった方法を選びましょう。

費用はいくらかかる?(登録免許税など)

抵当権抹消登記の手続きにかかる費用は大きく分けて2つです。

登録免許税:不動産1個につき1,000円
 例えば、土地と建物を所有している場合は2,000円になります。

その他:司法書士に依頼する場合の報酬や交通費、郵送代など

自分でやるメリット・デメリット

【メリット】

・費用が安く済む(1,000~2,000円程度)
・手続きの流れを知ることで知識になる

【デメリット】
・書類に不備があると手続きが進まず、再提出になる可能性あり
・平日の日中に法務局へ行く必要がある(時間的コスト)

チャレンジしてみようという意気込みがあれば、自分での手続きは十分可能です!

司法書士に頼む場合の相場と注意点

司法書士に抵当権抹消登記を依頼する場合の費用相場は、

10,000円〜15,000円前後(報酬)+登録免許税(1,000円)
約11,000円〜16,000円程度です。

ただし、相場は地域や依頼内容によって変わりますので、複数の司法書士に見積もりをとるのも1つの案です。時間や手間をかけたくない方は、専門家に任せることで安心感が得られるというメリットがあります。

住宅ローン完済後の“最後のひと仕事”を忘れずに

住宅ローンを完済したあと、「やっと終わった!」と安心してしまいがちですが、抵当権抹消登記は忘れてはいけない大切な手続きです。

この登記をしておかないと、いざというときに不動産の売却や相続、名義変更で思わぬトラブルにつながることもあります。
手続きはご自身で行っていただく事も可能ですが、時間や正確さを優先したい方は、司法書士に任せるのもおススメです。
費用面も考えながらあなたのスタイルに合わせて、スムーズに進めていきましょう!

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黒山 舞子