親の物忘れが多くなってきた気がする…。
この先、もし認知症と診断されたら?親の家はどうするべき?このような不安を抱えている方も多いと思います。
親の家の売却、名義変更、賃貸——状況によって選ぶべき行動は変わってきます。
認知症も段階によって“できる手続き”や“準備しておくこと”が違うため、 まずは全体像を知っておくと安心して判断できるようになります。
この記事では、親の状態別に「どんな対応ができるか」を分かりやすくまとめていますので、状況に合わせて是非参考にしてみてくださいね。
認知症の親の家|まず最初に確認すべきこと

不動産売却や名義変更は、「本人が契約内容を理解して判断できるか」が大前提です。
【判断能力がある場合】
→ 売却・名義変更・賃貸すべて可能です。認知症であっても以下の判断ができる初期段階や軽度の場合には、本人による手続きが可能です。
契約内容を理解できる
価格や条件について意思表示ができる
説明に対して合理的に返答できる
この状態であれば、軽度認知症の診断があっても契約できます。
※トラブル防止のため「医師の診断書」を用意しておくと安心【判断能力が不十分な場合】
→ 本人名義の家でも売却できない
説明しても理解が難しい
金額や契約内容の意味が分からない
判断力が生活上でも低下している
判断能力があるうちにできること |認知症の親の家

判断能力が保たれているうちは、選択肢が広くなります。
● 家の売却(通常の契約)
判断能力があれば、一般的な売却手続きが可能です。ただし認知症の場合は、進行後に「本当に本人の意思だったのか」が問題になりやすいため、意思確認の証拠 を残しておくと安心です。
準備しておくと良いもの
本人の意思確認(書面・録音・動画) → 契約時のトラブル防止に効果的
医師の診断書 → 判断能力の有無を第三者が確認できる
売却理由の整理 → 家族間での認識合わせ、裁判所対応にも役立つ
兄弟間の共有 → 「聞いていない」といった揉め事を防ぐ
● 名義変更(親 → 子)
判断能力があれば、名義変更(生前贈与または親→子の売買)は可能です。ただし、名義を変えることで税金が発生し、費用が高くなることが多いため「名義変更しておけば安心」という単純な話ではありません。
名義変更で発生する主な税金
贈与税(もっとも負担が大きい)
不動産取得税
登録免許税
● 必要書類を揃えておく
売却・名義変更を今すぐ行わなくても、基本書類を揃えておくこと自体が大きな準備 になります。後見制度に移行した場合でも、そのまま必要な資料として使えます。
整理しておきたいもの
権利証(登記識別情報) → 売却・名義変更に必須
固定資産税の書類 → 評価額・税金・維持費の把握に必要
生活・介護の見通し → 売却・賃貸・今後の住まい方を判断する材料
親の希望(売りたい/残したい など) → 判断能力が低下した後の方針決めに役立つ
判断能力が低下している場合は“成年後見制度”へ
親が契約内容を理解できない状態になると、本人の名義の家は売却できなくなります。この場合、家族が勝手に売ることもできないため、家庭裁判所に「成年後見制度」の利用を申し立てる必要があります。
● 成年後見制度とは?
家庭裁判所が選んだ「成年後見人」が、本人の代わりに財産管理や契約を行う仕組みです。
《後見人ができること》預金の管理、生活費の支払い、契約などの法律行為、不動産の管理 など
ただし、家の売却には“後見人だけでは不十分” !
後見人がいても、家の売却は勝手に進めることができません。不動産の売却は法律上「特別な行為」にあたるため、後見人の判断+家庭裁判所の許可(=特別代理行為許可)が必要になります。
裁判所が許可を出す主な条件
家庭裁判所は、以下のような点を確認して売却を許可します。
売却が本人の利益になる (例:施設入居費を確保したい/空き家の維持が困難)
適正な価格で売れること
本人がその家に住む予定がない
知症の親の家を“貸す”ことはできる?
判断能力あり → 親が自分で契約可能
判断能力なし → 後見人が代理で契約可能(裁判所の許可不要)
実際に起こりやすいトラブル例
判断能力が不十分なまま契約してしまい無効になる
認知症が進んでから動き始め、売却開始まで半年以上かかる
名義変更して税金が高額になった
兄弟間の意見がまとまらず売却が進まない
空き家期間が長く、家が傷んで資産価値が大幅に低下
認知症の親の家をどうするべきか|進め方
1, 親の判断能力を確認する(医師の診断書が安心)
2, 家族で方向性を話し合う ・・・売るのか、貸すのか?などの方向性をある程度話し合っておきましょう。
3, 判断能力があるうちは通常売却へ ・・・状況に応じて名義変更も検討。
4, 判断能力が低下しているなら成年後見制度を検討 ・・・申し立て〜選任に数ヶ月かかるため早めの行動が重要。
まとめ|“いつ動くか”で選べる道が大きく変わる
認知症による実家の売却は、判断能力の有無や、家族の状況などによって、選べる方法が大きく変わります。判断能力があるうちに準備を進めておくことで、家族にとっても親にとっても穏やかな形を選びやすくなります。迷ったときは専門家に相談しながら、無理のない解決策を探していきましょう。
査定や売却のご相談をいただいても、無理な営業は一切行いません。
まずは、今の家がいくらで売れるのかを正確に知っておくことが大切です。
売却・買取・活用など、状況に合わせて最適な方法をご案内することも可能です。
「古い家でも大丈夫?」といったご相談も、どうぞ安心してお任せください。
姫路の不動産売却・買取は「売れない家買取センター」へ
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