特定空き家とは

2025/03/31 17:00 - By 原田 正彦

放置すると予想外の問題に

皆さん こんばんは!売れない家買取センター、不動産資産相談士の原田です。
近年、空き家の問題が深刻化しています。その中でも「特定空き家」は、行政が危険性を感じ、放置すると重大な影響を及ぼす可能性が高いと認定した空き家のことです。放置しておくと、周囲の環境に悪影響を与えるだけでなく、治安や火災のリスクも高まります。

この記事では、特定空き家が引き起こす予想外の問題と、その対策について解説します。空き家問題を放置せず、早期に対処することを心がけましょう。

特定空き家ってなに?

指定されたらどうなるの?

特定空き家とは、上記で少し説明したように、放置することで周囲に悪影響を及ぼすと行政に判断された空き家のことです。これは「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」に基づき、市町村が指定します。特定空き家に指定されるとデメリットが大きいため、早めの対策が重要です。

特定空き家に指定される基準

倒壊の危険がある(老朽化で今にも崩れそう)
衛生上の問題がある(害虫・害獣の発生、悪臭など)
景観を著しく損なっている(ゴミの放置や落書きだらけ)
適切な管理がされていない(長期間放置されている)

指定されるとどうなるのか

この指定を受けると、市町村から「改善命令」や「除却(解体)命令」が出されることがあり、命令に従わないと行政代執行(強制解体)されることもあります。しかも、その解体費用は所有者に請求されるので注意が必要です。また、以下のことも考えられます。

・行政から勧告が行われる可能性がある
・勧告を受けると「固定資産税の住宅用地特例」が解除され、税負担が増加する

「特定空き家」にしないための対策

空き家を所有しているなら、以下のような管理をすると特定空き家の指定を避けれる可能性が高くなります。

定期的に換気や清掃をする(湿気やカビを防ぐ)
庭の草刈りや植木の剪定をする(景観の悪化を防ぐ)
近隣に迷惑がかからないように管理する(苦情が出ないように)
活用方法を考える(売却・賃貸・管理委託など)

「特定空き家」に類似する言い方

「特定空き家」は法律(空家等対策特別措置法)で定められた、特に問題のある空き家のことを指しますが、それに類似する言い方もあります。状況や問題の程度に応じた呼び方を以下に紹介します。

管理不全空き家

適切に管理されず、老朽化や周辺への悪影響が懸念される空き家。
特定空き家ほど危険ではないが、放置され続けると特定空き家に指定される可能性がある。行政の指導が入ることもある。

危険空き家

倒壊や火災のリスクが高く、安全上問題のある空き家。
台風や地震などの災害時に周囲へ被害を及ぼす恐れがある。行政が対応を促すケースが多いが、所有者が対応しない場合は特定空き家に指定されることも。

問題空き家

近隣住民や自治体が問題視する空き家。
老朽化や景観の悪化、不審者の出入りなど、地域に悪影響を与える空き家を指す。行政からの指導や、近隣住民の苦情が寄せられることが多い。

法令指定空き家

法的に措置が必要とされた空き家。
特定空き家の一種で、行政が法的に介入し、修繕・撤去を命じられることがある。放置すれば固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が増える可能性も。

空き家を10年放置してみた結果

空き家が放置されていると、どんな問題が発生するのでしょうか?実際に空き家を10年間放置した場合、どんな変化があるのかをシミュレーションしてみました。空き家を放置することで、あなたが想像している以上の問題が次々に起こります。その結果、どんな事態が待っているのか、1年ごとに追っていきましょう。

1年後:庭がジャングル化、動物が住みつく!?

放置された空き家の庭は、草木がどんどん繁茂し、まるでジャングルのように荒れ果てます。この状態が続くと、虫や小動物が住み着き始め、最終的にはネズミや野生動物まで入り込む可能性があります。また、草が伸び過ぎることで通行の妨げとなり、近隣住民からの苦情も増加します。放置された空き家は、周囲の環境にも影響を及ぼすことに。

3年後:外壁の劣化、行政からの指導が届く

3年経過すると、外壁や屋根の劣化が進行します。外壁のひび割れや雨漏りが目立つようになり、放置された空き家は徐々に地域の景観を損ねる存在となります。自治体からは改善命令や指導が届くことがありますが、所有者が対応しない場合は罰則が科される可能性も。この時点で、近隣住民からの不満もピークに達し、放置するリスクが増大します。

5年後:「特定空き家」に認定、固定資産税が爆上がり!

5年も経過すると、空き家が「特定空き家」に認定される可能性が高まります。これにより、自治体が積極的に介入するようになり、空き家の管理責任を求められます。さらに、特定空き家として認定された場合、固定資産税が通常の何倍にも膨れ上がることがあります。この時点で、所有者が売却や修繕を考えなければ、金銭的な負担はどんどん大きくなっていきます。

10年後:強制撤去命令!撤去費用は誰が払うのか!?

10年も放置された空き家には、ついに「強制撤去命令」が下されることがあります。解体や撤去にかかる費用は、非常に高額で、所有者に請求されることになります。この場合、支払えない場合は不動産を差し押さえられることもあり、所有者は想像以上の負担を背負うことに。そのため、空き家を放置しておくことがどれほどリスクを伴うかを、改めて感じることになるでしょう。
空き家を放置することは、初めは小さな問題に見えても、時間が経つにつれて大きなリスクと負担を招くことになります。庭の荒れや外壁の劣化、税金の増加、最終的には強制撤去命令と、放置した結果は予想以上の大変さです。空き家を持っているなら、早めに対策を考えることが重要です。
空き家問題を放置せず、早めに対策を!
  • 空き家が「特定空き家」として認定されると、放置することで周囲に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
  • 行政は、倒壊の危険がある、衛生上問題がある、景観を損なっている、適切に管理されていない場合に「特定空き家」に指定します。
  • 「特定空き家」に指定されると、市町村から改善命令や除却命令が出され、最終的に強制解体されることもあります。
  • 定期的な換気や清掃、庭の手入れ、近隣への配慮、活用方法を考えるなどの管理を行うことで、特定空き家に指定されるリスクを減らせます。
  • 特定空き家の他にも「管理不全空き家」や「危険空き家」「問題空き家」「法令指定空き家」など、状況に応じた呼び方があります。
特定空き家に指定されると、ただでさえ大きなデメリットが伴い、最終的には解体費用などの大きな負担を抱えることになります。空き家を所有しているなら、定期的な管理や適切な活用方法を考えることで、後々のトラブルを避けることができます。放置しておくと、周囲の環境や住民にも影響を与え、最終的には自分自身の負担が大きくなることを覚えておきましょう。
空き家の問題は早期に対処することで、取り返しのつかない事態を防げます。もし自分の空き家が「特定空き家」に該当しそうな場合や管理に不安があるなら、早めに専門家に相談し、適切な対策をとることをおすすめします。

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