重要事項説明書ってなに?

2025/04/05 19:00 - By 黒山 舞子

不動産の契約前に渡される書類   

「売れない家買取センター」の宅地建物取引士の黒山です。
マイホーム購入や賃貸契約をするときに、不動産会社から「重要事項説明書」という書類を渡されます。でも、専門用語が多くて「これって結局なんの書類?」「ちゃんと読まないとダメなのかな?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、重要事項説明書とは何か、どんな内容が書かれているのか、なぜ重要なのかを分かりやすく解説します!
契約前にしっかり理解して、後悔のない不動産取引を進めましょう。

重要事項説明書とは

目的と役割

重要事項説明書とは、不動産の売買や賃貸契約を結ぶ前に、宅地建物取引士(宅建士)が取引相手に対して、説明しなければならない事項を記載した書類のことです。
契約を結ぶ前に、取引の内容やリスクを正しく理解してもらうために交付・説明されます。不動産取引は高額で長期にわたる契約が多いため、トラブルを未然に防ぐ目的があり、この重要事項説明書が必要になるわけです。

必要になる時はいつ?

重要事項説明書は、不動産会社(宅地建物取引業者)が契約対象の物件に関する情報を調査し作成します。その後、不動産の契約を取引相手と結ぶ前に、必ず取引相手に説明をする必要があります。説明は宅建士が対面またはオンラインで行い、書面に署名または記名・押印(宅建業法で決まっている)して交付されます。
どんな時に必要になるかは、主に以下のような不動産取引の契約を結ぶ前に必要になります。

不動産の売買契約を結ぶとき

・例:マイホームを購入する、新築マンションを契約する、土地を買う
・不動産の売却者(または仲介業者)が購入者に対して、契約の前に説明を行う

不動産の賃貸借契約を結ぶとき

例:アパートやマンションを借りる、事務所や店舗を賃貸する
不動産を貸す人(または仲介業者)が借りる人に対して、契約の前に説明を行う

物件の権利関係や制限、契約条件を正しく理解した上で契約していただくためであったり、宅地建物取引業法(宅建業法)で契約前の説明が義務付けられているため、重要事項説明書を宅地建物取引士(宅建士)が説明するのは必ず必要なことになります。
もし、契約前に重要事項説明書の説明がなかったり、契約後に渡されたりすると、それは法律違反になりますので、「重要事項説明書がなかった!」と思ったら、すぐに指摘して対応を求めるのが重要です!

記載される主な内容

重要事項説明書には、不動産取引に関する重要な情報が記載されています。主に以下のような内容が含まれます。

物件に関する情報

・所在地・面積・用途地域などの基本情報

・接する道路の状況や制限
・建築基準法や都市計画法の制限

契約条件に関する情報

売買・賃貸の条件(価格・賃料・管理費など)

代金の支払い方法やスケジュールする
手付金や違約金の規定

法的制限やリスクについて

再建築の可否

土地の権利関係(抵当権の有無など)
ハザードマップや災害リスク情報

管理や維持に関する情報

マンションの場合は管理費や修繕積立金

共用部分の使用ルール

その他特記事項

重要な瑕疵(欠陥)や特殊な契約条件がある場合

重要事項説明書のを受けた後に不明点があれば、必ず質問することが重要です。署名または記名・押印後は契約内容を理解したとみなされるため、慎重に確認しましょう。ただし、契約前であれば撤回も可能です。不動産取引ではトラブルを防ぐために、重要事項説明書の内容をしっかり確認することが何より大切です。

取引相手がもらえるタイミング

重要事項説明書は、売買契約や賃貸契約を結ぶ前のタイミングで交付されます。

もらえるタイミングは契約の直前(必ず契約前)

・売買契約や賃貸借契約の締結前に、不動産会社の宅地建物取引士(宅建士)から説明を受ける

・説明を受けた後に「重要事項説明書」をもらい、署名または記名・押印する

・その後、契約手続きへ進む

    契約日より前にもらえないの?

    実務的には、契約日より1日〜数日前に重説を行うケースが多い

    ただし、内容の事前確認は可能(不動産会社に相談すれば、前もってコピーを見せてもらえることもあります。)

      まとめ
      • 重要事項説明書は契約前に必ず交付される
      • 契約の前にリスクや条件を理解するための書類
      • 契約前に説明をする、受けることが義務
      • 内容には物件情報、契約条件、法的制限などが含まれる
      • 署名または、記名押印後は契約内容を理解したとみなされる
      重要事項説明書は、不動産の契約を結ぶ前に必ず確認しておくべき大切な書類です。契約内容やリスクをしっかり理解することで、後悔のない取引を進めることができます。契約前に、宅地建物取引士から説明を受け、内容を確認した上で署名または記名・押印を行うことが求められます。


      もし不明点があれば、その場で質問し、納得してから進めることが重要です。これから不動産の取引を行う方は、必ず重要事項説明書を慎重に確認し、スムーズな取引を心がけましょう。

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