【土地評価額とは?】一物五価・一物四価って何が違う??|売値と評価額の関係も解説

2025/10/30 08:00 - By 売れない家買取センター管理人

土地評価額を調べる方法を解説!「一物五価」を使い分けて正しく理解しよう

土地の価値を調べようとしたとき、
「評価額がいくつもあって、どれを見ればいいの?」と思ったことはありませんか?

実は、土地には複数の価格(評価額)が存在し、
税金を計算するとき、相続を行うとき、売買するときなど、目的に応じて使い分ける必要があります。

この考え方を「一物五価(いちぶつごか)」といい、
それぞれの価格を正しく理解することで、土地の“本当の価値”をより正確に把握できます。

なぜ土地の価格は一つではないのか?  

土地は同じ形・同じ条件のものが存在しない、いわば“唯一の資産”です。そのため、評価する立場(国・都道府県・市町村・市場)や目的(税金・売買・補償など)によって、価格が異なります。

この「目的によって評価が変わる」という性質を整理したのが、「一物四価」や「一物五価」と呼ばれる考え方です。

「一物四価」と「一物五価」の違い  

もともと「一物四価(いちぶつよんか)」とは、1つの土地に対して 公示地価・路線価(相続税評価額)・固定資産税評価額・実勢価格4つの価格が存在するという考え方を指します。

その後、都道府県が独自に公表する「基準地価」が加わり、これら5つをまとめて「一物五価(いちぶつごか)」と呼ぶようになりました。

つまり、一物四価=国・自治体・市場が算出する4つの価格」一物五価一物四価に“都道府県の基準地価”を加えた5つの価格」という違いになります。

「一物五価」とは?|土地の価値を5つの基準で見る考え方  

「一物五価」とは、ひとつの土地に5つの異なる価格が設定されているという考え方です。それぞれの価格は、評価を行う機関や法律、目的によって異なります。

 公表期間公表時期 主な用途 公示地価を100とした水準
   公示地価   国土交通省   毎年3月(1月1日時点)   一般的な取引の基準   約100%
   基準地価   都道府県   毎年9月(7月1日時点)   公示地価の補完   約95〜100%
   相続税評価額(路線価)   国税庁   毎年7月(1月1日時点)   相続税・贈与税の算定   約80%
   固定資産税評価額 市町村3年ごと(1月1日時点)   固定資産税・不動産取得税など   約70%
   実勢価格 市場随時      実際の売買価格   約100〜110%

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さらに、国家資格を持つ不動産鑑定士が算出する「鑑定評価額」もあります。公共事業の補償価格や訴訟時の参考などに使われ、この鑑定評価額を加えた6つの価格を「一物六価」と呼ぶこともあります。

それぞれの評価額を詳しく見てみよう  

公示地価  

国土交通省が毎年3月に公表する、全国的な土地取引の基準価格地価公示法に基づき、不動産鑑定士が1月1日時点の価格を調査します。共事業の補償や土地売買の指標として利用されるほか、ほかの評価額(路線価や固定資産税評価額)の基準にもなります。

基準地価  

都道府県が調査・発表する地価で、毎年9月に公表されます。評価基準日は7月1日で、公示地価の半年後公示地価がカバーしきれない地域(商業地や山林など)も対象に含めるため、公示地価を補完するデータとして位置づけられています。

相続税評価額(路線価)  

国税庁が毎年7月に公表する、相続税や贈与税の計算に用いる価格です。1月1日時点の評価を基準とし、公示地価の約80%程度で設定されます。路線価は道路ごとに設定されており、「路線価方式」または「倍率方式」により算出します。国税庁の「路線価図」や「評価倍率表」で、誰でも確認できます。

実勢価格(市場価格)  

実勢価格は、実際に取引された価格=市場が判断した価値です。買主・売主の条件やタイミング、需要と供給によって常に変動します。おおむね、公示地価を100とした場合の100〜110%程度が目安です。実勢価格は「国土交通省 土地総合情報システム」などで過去の取引事例を調べられます。

目的別|5つの土地評価額の使い分け方  

  • 売却・購入の相場を知りたい場合
     → 参考にするのは 実勢価格
     → 国土交通省の「土地総合情報システム」などで確認できます。


  • 相続税・贈与税を計算したい場合
     → 参考にするのは 路線価 または 固定資産税評価額
     → 国税庁のホームページや、市区町村で発行される課税証明書で確認できます。


  • 固定資産税の金額を知りたい場合
     → 参考にするのは 固定資産税評価額
     → 毎年届く「固定資産税通知書」で確認できます。


  • 地域の地価動向を調べたい場合
     → 参考にするのは 公示地価 または 基準地価
     → 国土交通省や都道府県のホームページで確認できます。

土地評価額を目安で計算するには?  

簡易的に実勢価格(おおよその売値)を推定したい場合は、次の計算式を使うと目安になります。

  • 相続税評価額 ÷ 0.8 ≒ 実勢価格

  • 固定資産税評価額 ÷ 0.7 ≒ 実勢価格


たとえば、路線価(相続税評価額)が20万円なら → 約25万円
固定資産税評価額が18万円なら → 約25〜26万円

が相場の目安になります。

まとめ|一物五価を理解して土地の「正しい価値」を見極めよう  

土地の評価額には、公的な基準・税金計算用・市場価格など、さまざまな目的があり、ひとつの数字だけでは“本当の価値”を判断できません。「一物四価」から「一物五価」へと考え方が広がったことで、より多面的に土地の価格をとらえられるようになりました。売却や相続を考える際は、複数の評価額を確認し、自分の目的に合った基準で判断することが大切です。


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